記事更新日:2025年6月10日
※当記事を読んでいただく前に
当記事には直島新美術館の館内及び作品の写真や情報を掲載しています。
事前情報無しで直島新美術館を楽しみたい方はネタバレ防止のために当記事の閲覧を控えることをおススメします。
直島新美術館について

直島新美術館は2025年5月31日に開館した日本を含むアジア地域のアーティストの作品が展示されている美術館です。
直島新美術館は2022年頃から計画され、ベネッセアートサイト直島の従業員寮や倉庫の取り壊された場所に建てられたベネッセアートサイト直島においては10個目となる安藤建築となります。

美術館は地上1階、地下2階で構成されているよ!
建築家の安藤忠雄はベネッセホールディングス名誉顧問である福武總一郎から「300年間残る美術館」とリクエストを受けているそうですが、当美術館の将来ビジョンについて「2~3年で森の中にある美術館になる」とも語っています。








アクセス
直島新美術館へは宮之浦港から直島町営バスで約6分、「桃山(とうやま)」のバス停で下車するのがおススメです!
※直島町営バスの時刻表はコチラ!



桃山から直島新美術館までは徒歩5~7分が目安だよ♪
直島新美術館には駐車場・駐輪場があるので自動車や自転車でのアクセスも可能です。
直島新美術館の駐車可能台数は19台分でしたが、過去の記事で紹介している”南寺観光駐車場”も引き続き利用可能でした♪






車イスやベビーカーでの観光について
直島新美術館の駐車場や駐輪場から直島新美術館までには96段の階段がありまが、車イスやベビーカーでの通行可能なスロープもあります。




荷物預け・コインロッカー
直島新美術館には77個の無料ロッカーがあるので小さな手荷物なら預けることができます。
スーツケースなどの大きな荷物も預かってくれるそうなので館内のショップで相談してみましょう。







鍵付きの傘立てもあったよ!
所要時間
直島新美術館の鑑賞に必要な所要時間は2時間前後が目安になると思います。
但し、「じっくりと作品や建築を鑑賞したい」「カフェでゆっくりしたい」「たくさん写真を撮りたい」という方は余裕を持って3~4時間程の時間を確保される事をおススメします。
※参考程度にですが、しまネコ(著者)はカフェの滞在時間込みで4時間ほど滞在しました。
チケットの購入
直島新美術館のチケットはオンライン購入1,500円/窓口購入1,700円で購入可能です。



事前購入のが200円お得だね♪
オンライン購入はベネッセアートサイト直島の”美術館予約”から。
窓口購入はクレジットカード及び電子マネーも対応しているようです。


ショップ
Tシャツ、ボトル、ステッカーノートなど様々なグッズを展開。
開館記念バッグも販売されており、開館から5日程度で在庫が無くなる予定。今後の増産も無いとのことでした。
ショップでのお支払いもカード決済・電子マネー・コード決済に対応しています。





チケットでの入場ゲート前にあるからグッズ購入だけで来ることもできるね♪
&CAFE


直島新美術館には瀬戸内海の景色を一望でき、開放感溢れるカフェ「&CAFE」があります。
直島新美術館の入場ゲートとは別に入口があるので、カフェだけの利用も可能です♪
また、「&CAFE」にはインド出身の作家”N・S・ハルシャ”が「&CAFE」に合わせて制作した作品、「幸せな結婚生活」が展示されています。









カード決済、電子マネー、コード決済も対応していたよ♪
美術館内の写真・動画撮影について
直島新美術館では基本的に写真撮影可能、動画撮影不可です。
但し、B2に展示されている会田誠さんの作品「MONUMENT FOR NOTHING-赤い鳥居」は写真撮影も不可です。
また、チケット券売機のあるエントランスにて公開されている直島町民の家族写真の接写はNGとされているので写真を撮りたい方は距離をおいて撮影しましょう!(参考用にスタッフさんに確認を取って撮影してみました)


繁忙期に写真や動画撮影をする人が増えると鑑賞の妨げになったり、足元の不注意で転倒によるケガや作品の損傷に繋がる場合もあります。撮影ルールが変更される場合もあるのでアナウンスにしたがって楽しんでください♪



三脚や自撮り棒を使用した写真撮影、フラッシュ撮影も禁止なので気を付けてね!
作品
1F
瀬戸内「漂泊 家族」写真館


作家:下道基行+ジェフリー・リム
直島宮浦エリアの宮浦ギャラリー六区にて2019年から行われているプロジェクト”瀬戸内「 」資料館”
第6回目にあたる2024年は《瀬戸内「漂泊 家族」写真館》と題され直島現地の人や風景を記録・展示する写真館として公開されました。
直島美術館のエントランスでは《瀬戸内「漂泊 家族」写真館》のサテライト展示として公開。
直島町民の家族写真が並んでいます。
家族写真の中には直島に移住されたシンガーソングライター”福島 節”さん一家の家族写真も展示されています。
当作品は下道基行とマレーシアの文化活動家ジェフリー・リムによる共同制作で、直島の漂着物から2人でボックスカメラを手づくりし、そのカメラで写真を撮影しています。
守護者たち


作家:マルタ・アティエンサ
マルタ・アティエンサは1981年フィリピン生まれのアーティストで、自身が活動拠点とするフィリピン・バンタヤン島で取材撮影した映像作品を公開。
経済発展を建前に観光作業に左右されてきたバンタヤン島の歴史。
資本により地元の土地を買い上げられた漁師たちが観光産業に従事せざるをえない現実に異議を唱える作品。
ヘリ・ドノ論の冒険旅行


作家:ヘリ・ドノ
10枚の絵画で構成される大作「ヘリ・ドノ論の冒険旅行」は作家がこれまで制作してきた彫刻作品やインスタレーション、パフォーマンスなどを融合させたかのような作品。
2019年の瀬戸内国際芸術祭では小豆島「福武ハウス」にて展覧会「眼に見える魂」が開催され、「ヘリ・ドノ論の冒険旅行」や「空から降る天使」の展示されたアートスペースにてトークイベントが行われました。
空から降る天使


作家:ヘリ・ドノ
作家のヘリ・ドノがアメコミの影響を受けて想像した”空から降る天使”。両手にあたる部分には魚雷が抱えられています。
自国において言論の自由が制限されていた時代に触れつつ、未来を構築する為に夢見る自由や想像する自由の大切さを唱えている作品。
人類の自覚:中心への旅


作家:ヘリ・ドノ&インディゲリラ
インドネシア出身のヘリ・ドノとインディゲリラにより共同制作された作品。
ジャワの伝統的な皮革製の人形劇やカートゥーンのモチーフが組み合わされ、多様性の美しさや人類の繁栄についての思考を促しているかのようです。
アフターマス


作家:パナパン・ヨドマニー
パナパン・ヨドマニーは第11回ベネッセ賞の受賞歴もあるタイ出身の女性アーティストです。
2022年直島に開館したヴァレーギャラリーには草間彌生による「ナルシスの庭」が現在でも展示されていますが、当初はパナパン・ヨドマニーの作品が展示される予定でしたがコロナ渦の影響により実現されませんでした。
これらの経緯と直島新美術館が直島新美術館がアジア地域のアーティストの作品を展示するというコンセプトだったので個人的に直島新美術館での作品公開をとても期待していたので嬉しいです。


母国であるタイの伝統的なオブジェの他に、幼い頃から仏教美術を学んでいたパナパン・ヨドマニーは仏教的要素も本作に取り入れています。



パナパン・ヨドマニーの作品は絵画的でもあり、彫刻的でもあるね。




B1
Hub/s 直島、ソウル、ニューヨーク、ホーシャム、ロンドン、ベルリン








作家:ソ・ドホ
ソ・ドホの代表作「Hub」シリーズは作家が実際に暮らしてきた家の玄関や廊下などを布で再現した作品です。
ソウルやニューヨーク、ロンドンなどに加え、本作の制作過程訪れた直島民家の廊下部分を新たに加え公開されました。
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青色の部屋が直島の民家だね♪
B2
スウィート・ボックス(輸送中の道)


作家:Chim↑Pom from Smappa!Group
スクラップビルドの過程(建物を壊した時)に出てきた廃材でも特定の人には思い出があったり重要な物だったりする。
これらの物をコンテナに詰め、輸送中とすることで「壊された廃材」から「つくるための材料」にみえかたが変わってきます。輝くコンテナは中に入ることができ、中には取り壊された廃材が地層のように積みあがっています。






みらいを描く(輸送中)


作家:Chim↑Pom from Smappa!Group
性産業に携わる女性のシルエットが描かれた作品。
青写真


作家:Chim↑Pom from Smappa!Group
青写真は”ブループリント”とも呼ばれ、建築土木図面を複写する際に用いられていたものです。
洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip


作家:村上 隆
2024年に京都市京セラ美術館にて開かれた「村上隆 もののけ 京都」展に向けて制作された本作。
「村上隆 もののけ 京都」の開催地、京都は平安時代~幕末にかけて政治や文化の中心地として重要な都でした。
その繁栄の様子を描いたのが”洛中洛外図”です。
洛は京都の事を指し、作品名のタイトル”洛中洛外図”は京都の中心から郊外までという意味があります。
作品は細部まで書き込まれており金色の雲のようなものには髑髏が書き込まれていたり、城壁に忍者が潜んでいたり…。
近づいてみることで色々な発見ができる作品です。




MONUMENT FOR NOTHING-赤い鳥居


作家:会田 誠
2008年より展開しているシリーズ「MONUMENT FOR NOTHING」の最新作。
本作は肖像権の問題や作者の意向により本作は写真撮影が禁止されています。
(参考にインタビュー映像のワンシーンを撮影)
作品名通りの赤い鳥居がどろどろと変容していくような姿で、鳥居には「ピコ太郎のPPAP」「にちゃんねる」「しまじろう」などの流行したものや、(内閣総理大臣)安倍晋三氏や(東京都知事)小池百合子氏など政治的な歴史が映し出されています。
本作は「日本の変質したもの、しつつあるもの」がテーマとしてあり、1990年代から現代までの30年間(主に平成)の出来事を辿るような巨大な作品です。
ヘッド・オン








作家:蔡国強
ベルリン・グッゲンハイムでの個展(2006年)のために制作された「ヘッド・オン」。
99体の狼の群れが走り、ガラスの壁を越えようと勢いをつけて飛ぶが、壁にぶつかっている場面を表現した大型インスタレーション作品。
ベルリンの壁と同じ高さに設計されたガラスの壁はイデオロギーや文化の隔たりを象徴しているそうです。
※イデオロギーとは、観念 (idea) と思想 (logos) の組み合わせ言葉。
人や社会が物事をどのように捉え行動するかの指針、思想。
ガラスの壁に手がかかりあと僅かで壁を越えれそうな狼や、壁にぶつかったであろう狼が再度助走をつけるために群れの最後尾に戻るような姿も見えます。



狼が宙釣りになっていて僅かに揺れている事で躍動感が増しているね!
渦


作家:蔡国強
ヘッド・オンと同じくベルリンの個展にあわせて制作された火薬絵画。
火薬を爆発させて描くという完全にコントロールすることはできない偶発的要素のある作品です。




イリュージョンⅡ


作家:蔡国強
第二次世界大戦で破壊された、かつてのベルリンの玄関口「旧アンハルター駅廃墟」の隣地で行われた爆発プロジェクトの様子を撮影した映像作品。
終わり
これにて直島新美術館の鑑賞レポートは終了です。
安藤忠雄による直島新美術館の建築は時間や天気によって上空から差し込む光量が変化し、訪れるたびに印象の異なりそうな点が魅力的に感じました。展示されている作品やカフェもとても良くて、個人的には「また行きたい!」と思える大満足の美術館でした。
直島新美術館では年単位(2~3年毎)での展示替えも想定されているそうなので、先延ばしにしていると見逃してしまう作品もあるかもしれません。是非、次のお出かけ先の候補に考えてみてはいかがでしょうか。





最後まで読んでくれてありがとう♪