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【宇野】実話に基づく(瀬戸内国際芸術祭/UN10)

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実話に基づく

「実話に基づく」は三宅医院という約40年間使われていなかった古い病院が舞台の作品です。
作家のムニール・ファトゥミはモロッコ出身の作家で、失われゆくものを素材としてビデオ、インスタレーション、ドローイング、ペインティング、彫刻など多様な作品制作を行っています。

コロナ禍での作家の来日は叶わなかったそうですが、フランスの地から、この世界に「住む」、住み続けることについて廃屋のインスタレーションを通じて問いかけました。

しまネコ

2016年の瀬戸内国際芸術祭でも粟島の廃校を舞台にした作品を公開した作家さんだよ!

建物はほぼ当時のまま残されていて、瓶には薬液なども残ったままです。
当時の病院の日常的な景色の中には異彩を放つブラウン管のテレビなどが設置され映像が流れています。

「実話に基づく」では手術室や薬剤室などの部屋に15本のビデオをプロジェクターで壁やスクリーン、テレビなどに投影されています。これらのビデオは約20年前にフランスで制作された映像で建築物の破壊を示す”Architecture Now!”というビデオ作品で、第一次大戦後に多数の異なる民族が住みついたアパートが壊される様子を作品化したものだそうです。

50年以上にわたり病院として使用され、現在では40年間放置されているこの建物で、1930年代の建築がいかに時代遅れになっているかを示し、建物も人間の身体と同様に病み、死んで消えてしまうことがあるこを示したいと考えたそうです。

この1930年代の建築の社会的損失を、フランス国家では破壊することによって消滅させようとしてきましたがムニール・ファトゥミ氏はこれに疑問をもち、近隣の住民との出会いや物語を通してこれらの建築の記憶を保存しようと考えました。

それらの表現を、いずれ取り壊される予定の三宅医院で行い作品となりました。

しまネコ

作品化されたことで、たくさんの人の記憶にこの建物が残るね。

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