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【直島】家プロジェクト「角屋」の魅力

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角屋について

作家名:宮島 達男
公開:1998年3月21日

「角屋」は約築200年の家屋を改修して制作されていて、角屋という名称は家の屋号から来ていてます。
角屋は本村地区の中でも大きな家の部類でここに住んでいた立石家は元禄時代から役人に名を連ねるほどの名家だったと言われています。

現在、角屋には宮島達男による作品が下記の3点あるので、それぞれ紹介していきます。

  • Sea of Time ’98
  • Naoshima’s Counter Window
  • Changing Landscape

Sea of Time ’98

角屋の代表的な作品「Sea of Time ’98」は赤、緑、黄の3色からなるLEDのデジタルカウンターが125個設置されていて、それぞれが異なる速度で1~9の数字をカウントアップしながら表示しています。デジタルカウンターが設置されている空間には、元々4つの和室がありましたが畳と襖を取り払い、水が循環するように張られています。

しまネコ

水の張っている場所は8m×9mで深さは約15cmあるらしいよ!

宮島さんはデジタルカウンターの数字がカウントしている時を「生きてる時間」、数字が消えて暗闇の時を「死んだ時間」として、この生きてる時間と死んだ時間が繰り返されることからデジタルカウンターで輪廻転生を表現しています。また、このデジタルカウンターには0が表示されず、代わりに暗闇が使われています。その理由について「あえて0の部分を暗闇で表示することによって、これ(暗闇)はなんだと鑑賞者の想像力を働かせたり、人間が死んだ時にはどんな状態か?真っ暗なのか?」想像できるようにしているようです。

Youtubeに宮島達男×森山未來のスペシャル対談の動画があり、こちらでも「ゼロが出てこない理由」についても宮島さんの口から説明がされています。(動画時間の7:49~10:41辺り)

デジタルカウンターの進む速度は1998年2月15日に島の公募によって集まった5歳~95歳の島民125名でタイムセッティング会が行われ、島民により決定されました。タイムセッティングを行った島民には証明書のようなものが発行され、自分が速度を決めたデジタルカウンターが何処にあるかがわかるようになっているようです。

当時のタイムセッティング会に参加された島民は「何かわからんけどやってみよう」ぐらいの考えの方も多くいたそうで、小さな子供が「自分が縄跳びを飛ぶ速度」をカウントアップの秒数にしたり、「自分は人生をゆっくり生きたいから」という理由でゆっくりにしたりと各々の考えてタイムセッティングがされました。ですが、今となっては自分が亡くなっても作品の一部として生き続けるという思いが子孫に伝われば良いと作品に関われたことを誇りにされている方がいたり、「ワシが死んでも墓はいらない、その代わりにこの数字を見に来てほしい」と家族に伝えた方もいらっしゃるそうです。

このデジタルカウンターは2018年にタイムセッティング2018~継承~と称して再セッティングが行われました。

当時、参加した島民に「そのままにするか」「改めてタイムセッティングをするか」を選んでもらい改めてセッティングする場合は家督相続のように身内に譲渡したり、抽選などで全く別の人に譲るケースもありました。
「亡くなられたご家族の方が決めた時間」を大切にしたいと考えあえて再セッティングは行わずに、その数字を見にくる島民の方もいらっしゃいます。

タイムセッティング2018~継承~についてはこちらからBenesseさんの記事を観る事ができます。

Naoshima’s Counter Window

「Sea of Time ’98」から更に奥に進むと、かつては台所として使われていた土間が広がっています。
土間に入って右側に目を向けると200年ほど使われた台所の煙で土壁は黒く煤けています。
土壁には外からの光を取り入れるように液晶ガラスがあり、これが2つめの作品「Naoshima’s Counter Window」です。

「Naoshima’s Counter Window」は液晶ガラスで作られており、宮島さんにとっても液晶ガラスを使った作品制作は当時初めての試みでした。
液晶ガラスは電気が流れていないと光が散乱し不透明な白色状態ですが、電気が流れると分子と液晶の屈折率がほぼ等しくなり透明になる仕組みだそうです。こういった液晶ガラスはトイレや電車の車両窓などにも使われていることで有名ですね。

電気が流れ透明になった部分からは外の景色を見る事ができ、陽の差し込む時間によっては外からの光が液晶ガラスを通り土間に数字が映し出されることもあります。

しまネコ

窓の数字は3つとも同じ数字が揃う事もあるよ!

Changing Landscape

蔵の中には「Changing Landscape」が展示されています。
この掛け軸は江戸時代末期に活躍した”岡本 豊彦”という岡山の画家が描いた山水画です。
宮島さんの要望により、江戸時代末期に活躍した画家の作品が探されることとなり岡本豊彦の作品と出会いました。

宮島さんは山水画に赤いアクリル絵の具を塗り、近代的なデジタルの数字を描くことで現在から過去の時代を除きこむような作品に仕上げています。
現代とは違う時代を生きた画家の仕事(作品)に対する宮島なりのアプローチでもあります。
現在では立ち入り禁止となっていますが、以前までは階段で蔵の2階に上がって作品を鑑賞する事ができていました。

補足

宮島さんは自身の作品制作に3つのコンセプトを掲げています。

  • それは変化し続ける
  • それはあらゆるものと関係を結ぶ
  • それは永遠に続く

この3つのコンセプトを「今までは時間と置き換えてきたが、これからは人間と言っても良い」とも語っています。

しまネコ

直島観光の際には家プロジェクトの”角屋”にも遊びに来てね。

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