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【直島】杉本博司ギャラリーの予約、アクセス、所要時間や作品について解説!完全ガイド

本記事について

本記事は情報は様々なWebページや雑誌記事、インタビュー映像、ベネッセさんのツアー、島民の方からのお話などを参考にした作品の解説を含みます
また、情報源によっては作品の解釈に若干の相違がある場合もございますので、あくまでひとつの参考程度にし、自由な視点で作品を鑑賞していただければと思います。
解説等のネタバレなく自由な視点で作品鑑賞を楽しみたい方は作品解説の項目を読まずに鑑賞することをおススメします。
※2023年12月更新

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目次

杉本博司ギャラリーとは

杉本博司ギャラリーは2022年3月12日、ベネッセアートサイト直島の宿泊施設”ベネッセハウス パーク棟”内にオープンしました。作家「杉本 博司」の初期時代の作品から最新作までの作品を30点展示しているギャラリーです。

所在地:香川県香川郡直島町 積浦3418
営業時間:11:00-15:00(最終入館14:00)
休館日:年中無休
撮影ルール:写真撮影可能、動画撮影不可

しまネコ

美術館の入り口はベネッセハウスパーク(ホテル)と同じだよ!

杉本博司とは

杉本博司は1948年東京都出身、現在75歳。(※2023年12月時点)
東京とニューヨークを拠点とし写真家、建築家、演出家、執筆家、舞台芸術家など多岐にわたり活躍しています。
杉本博司は作品の色彩や形状など、技術や視覚的に優れたものより、作品の裏側にあるコンセプトや考え方や観念などを重視するコンセプチャルアートの作家に位置づけられます。

また、杉本博司の作品の多くには「時間」というコンセプトがあります。
杉本博司ギャラリー ~時の回廊~においても作品コンセプトである「時間」を多く感じることができます。

鑑賞料金

杉本博司ギャラリーの鑑賞料金は1,500円です。
但し、15歳未満の方とベネッセハウス宿泊期間中の方は無料で鑑賞することができます。

1,500円でチケットを購入した場合にはラウンジでの呈茶サービス(お茶とお茶菓子)があります。
15歳未満の方とベネッセハウス宿泊期間中の方は呈茶無しでの鑑賞か、呈茶料金(800円)のみ別払いすることで呈茶サービスを受けることができます。

しまネコ

ベネッセハウス宿泊(チェックイン~チェックアウト期間)中は無料で鑑賞できるのでチケットを予約しないよう気を付けてね♪

予約

杉本博司ギャラリーは事前予約がおススメです!(予約はこちらから)

杉本博司ギャラリーでは快適な作品鑑賞の為に時間ごとのおおよその入場制限が設けられているそうです。
予約無しでも当日の混雑状況によっては入館する事ができますが、繁忙期(瀬戸内国際芸術祭の会期中や暖かい季節の土日祝日)では予約無しでは入館できない場合もあります

※ベネッセハウスに宿泊している方は混雑状況に関わらず、いつでも入館することが可能です。
ホテル内にギャラリーがあるのでBenesseに宿泊している方は杉本博司ギャラリーの営業時間外でも鑑賞する事ができます。
「人のいない時間にゆっくり作品鑑賞をしたい」「早朝や夜の美術館を体験したい」なども叶えれます♪

所要時間

杉本博司ギャラリー鑑賞の所要時間は40分~60分程度です!

所要時間はラウンジでの呈茶サービスを受けるか受けないか、ギャラリー内をサクサクと進むか作品をじっくり鑑賞するかによって大きく変化すると思いますのであくまで参考程度にお考え下さい。

アクセス

杉本博司ギャラリーへのアクセスはバスか自転車がおススメです!

■バスで観光の方
 ・ベネッセハウス宿泊ゲスト専用バスを利用の場合は「ベネッセハウスパーク」降車してすぐ
 ・町営バス利用の場合は「つつじ荘」降車して徒歩5分

■自動車で観光の方
 ※Benesseの敷地内は宿泊者を除き自転車乗り入れ禁止です。
 ・地中美術館方面からお越しの場合は北ゲートか地中美術館チケットセンターに駐輪。
 ・つつじ荘方面からお越しの場合はつつじ荘に駐輪。

しまネコ

「地中美術館チケットセンター」と「つつじ荘」は自動車の駐車もできるよ!

作品紹介

杉本博司ギャラリーには現在30点の作品が屋内外に点在しています。
杉本博司ギャラリーのオープン前はベネッセハウス(パーク棟)に杉本博司の作品が9点展示されていましたがギャラリーのオープンに伴い作品が30点まで増えています。

①華厳の滝

杉本博司は大学卒業後1970年に渡米しロサンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学びました。
その後、1977年に日本に一時帰国した際に栃木県で撮影された華厳の滝の作品です。

撮影当日、滝は深い霧に包まれ姿をなかなか現しませんでした。しかし、杉本さんが根気強く待ち続けると一瞬だけ霧が晴れ、写真に収める事ができました。その瞬間を杉本さんは「神様が降臨したように感じた」とも語っています。
その一瞬を捉えたのがこの作品で、その後は再び霧が立ち込め、その日は2度と滝の姿は見えなかったそうです。

②松林図

”松林図”は現在では国宝にもなっている安土桃山時代の絵師「長谷川 等伯」の作品「松林図屏風」にインスパイアされ、「現代の松林図屏風を作ろうという思いから制作されました。

杉本博司は自身の理想とする松を探し回り、最終的に皇居前の黒松にたどり着き撮影を行いました。
杉本博司の松林図をよく観察すると写真が6分割されており、写真のつなぎめにも違和感を感じると思います。
これは「松林図屏風」に習い、屏風を再現するために写真が分割されていると同時に、それぞれの写真の間に映るビルなどの建造物を排除し、杉本博司の理想の松林図に近づける役割も果たしました。

③光の教会

杉本博司「建築シリーズ」の作品のひとつで、安藤忠雄により設計された「光の教会」を撮影した作品。
光の教会は大阪府茨木市にあり、兵庫県の風の教会、北海道の水の教会を合わせ安藤忠雄の教会三部作として位置づけられています。建築当初、クリアな自然光を入れる為に十字のスリットにはガラスを取り付けない予定だったが牧師さんより「寒すぎる」と意見がありガラスを入れるに至ったというエピソードもあります。

光の教会など「建築シリーズ」の作品は意図的にピントをぼかして撮影されています。
現実で建てられた建築物は予算、工期、構造などの様々な制約によって一定の妥協の結果であると考え、建築家が建築物を完成させる前に頭の中に思い描いた純粋なイメージを再現するためにもこの手法を用いています。
更に、杉本さんは最上級の建築物はぼやけた写真の中でも生き残ることを発見したとも語っています。

④聖ベネティクト礼拝堂

聖ベネディクト教会はスイスの建築家、ピーター・ズントーにより設計されました。
教会はノアの箱舟をモデルとして「船型」に造られており、建築雑誌でも取り上げられる著名な建物です。

⑤ノートルダム・デュ・オー礼拝堂

ノートルダム・デュ・オー礼拝堂は別名”ロンシャン礼拝堂”とも呼ばれ、スイス出身の建築家ル・コルビュジエによってフランスに造られました。写真のピントををぼかし撮影している為、わかりにくいですが祭壇が写されており、写真の中央下部には蝋燭が灯っています。

⑥ワールド・トレード・センター

ワールドトレードセンターは2001年9月アメリカ同時多発テロ事件により崩壊した建物です。
この写真は事件より前に、ニューヨークのスタジオから杉本博司が撮影していたものです。
事件当日も杉本博司はニューヨークのスタジオの屋上からタワーが崩壊していくのを見られていたそうです。

ワールドトレードセンターの写真は先に紹介した3つの教会建築に囲まれるように展示されています。
キリスト教の象徴でもある教会建築、更に仏教の供養塔としても使われる五輪塔、そして②で紹介した松林図は皇居前の黒松、すなわち天皇様が住まわれており神道の象徴ともなります。

「鎮魂の空間」をテーマとして、上記の作品と同じ空間に展示することで様々な宗教の垣根を越えて、ワールドトレードセンターで亡くなられた方を弔う場ともされています。

⑦光学硝子五輪塔 ボーデン湖、ウットヴィル

五輪塔は一般的にお墓や供養塔として使われ、仏教や古代インド思想において宇宙の5代要素とされる地・水・火・風・空を表す5つの形で構成されています。

杉本博司は五輪塔を光学硝子で作り、水を表す球体の中には杉本博司の代表作である「海景」のフィルムを納めました。

しまネコ

下から順番に地・水・火・風・空を表しているよ!

⑧護王神社模型

杉本博司が建築家としてはじめて作成、改修した家プロジェクト「護王神社」の模型が展示されています。
精巧に作られた模型には石室や通路も再現されています。
模型から通路の先を覗くと「海景」の写真が展示されており、まるで通路の先に海が広がっているかのように見ることができます。これは護王神社の石室から見える景色を再現しているものです。
是非、護王神社にも足を運び鑑賞することをおススメします。

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⑨日本海、隠

杉本博司の代表的シリーズ「海景」の作品のひとつで日本海、隠岐にて撮影されています。
護王神社模型と合わせて展示することで、家プロジェクト護王神社の石室からの景色を再現しています。

⑩観念の形003 オンデュロイド:平均曲率が0でない定数となる回転面

杉本博司はコンピュータに数式を入力し、形のあるものに変えることを試みました。
彫刻はアルミニウムで作られ、数式を目に見える形として表現しています。
キャプションには本作品の数式が記されています。

⑪カリブ海、ジャマイカ

杉本博司、初期三部作と呼ばれるもののひとつ”海景”シリーズの作品。

杉本さんは「眠れない夜などに自問自答を心の中でする、それが時々何かに結び付くことがある。」と語っています。
海景シリーズも「古代人が見ていた風景を、我々現代人が見ることはできるだろうか」という自問自答から誕生した作品です。

陸地では森が切り開かれビルが建つ一方、海であれば古代人と同じ景色を見ることができると考え世界中の海を撮影し続けています。当然、古代人と同じ景色を見る為に飛行機や船など時代を感じさせる人工物は写っていません。
また、撮影時にもヘリコプターや船などは使わず杉本さんが自身の足で立ち、全て陸地から撮影されています。

海景はロックバンド『U2』のアルバム”No Line On The Horizon”のジャケットにも使用されています。
U2のボーカル”ボノ”は杉本博司のファンで本アルバムのタイトルや歌詞は”海景”シリーズからインスピレーションを受けているそうです。杉本は写真の上にアーティスト名やアルバム名などを含む文字、グラフィックを被せないという条件をつけて”海景”「ボーデン湖」の使用を無料で許可しました。

しまネコ

”海景”についてもっと詳しく知りたい方はこちらの動画もおススメだよ!

⑫ハイエナ、ジャッカル、コンドル

杉本博司、初期三部作と呼ばれるもののひとつ”ジオラマ”シリーズの作品。
これらはシリーズ名の通り”ジオラマで”ありアメリカ自然史博物館で撮影されたものです。

杉本さんがアメリカ自然史博物館で作り物の風景や動物からなるジオラマ展示を見ているときに、クオリティは決して高くなく、すぐに偽物の景色とわかるものだと感じたそうです。ですが、ここで杉本さんは面白い発見をします。
片目を閉じてジオラマを見ると遠近感が消え、本物の景色を見ているように感じる事ができたそうです。
その発見から、人間も片目を閉じて単眼で鑑賞することによりカメラのように世界を見ることができると気づかれたと語っています。こうすることで、被写体にリアリティが無くても、写真に写してしまえば本物のようにもなることから写真はいつでも真実を写すという観客の固定概念を覆す作品でもあります。

この自然史博物館での撮影は無許可で行われ、関係者に「許可は撮っていますか?」と聞かれ制止されたそうですが「許可を取っています」と伝え撮影を続けることができたそうです。
大がかりな撮影故に信憑性を高める事ができたのかもしれません、これが後に世界的に有名な作家の代表するシリーズの作品となります。

同シリーズのアメリカ自然史博物館で撮影された「シロクマ」がニューヨーク近代美術館に250ドルで買い取られたことにより、杉本博司が世界的に注目されるきっかけともなったシリーズの作品です。

⑬カボット・ストリート・シネマ、マサチューセッツ

杉本博司、初期三部作と呼ばれるもののひとつ”劇場”シリーズの作品。

杉本さんがアメリカ自然史博物館で撮影をしている時に「映画1本をひとつの写真に収めることができるだろうか」という自問自答が沸いたそうで、この自問自答を解決するために撮影されたのが劇場シリーズです。

杉本さんは一本の映画が上映されている間、シャッターを開放(露光)し続けて撮影しました
その結果、露出オーバーという現象が発生してスクリーンは真っ白になり、その光で劇場内部が照らされています。
スクリーンには一見何も映っていませんが、映画一本分の時間や物語が1枚の写真に収められた作品です。

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”劇場”シリーズは古い劇場の他に、ドライブシアターなどでも撮影されているよ!

⑭Past Presence 070 大きな女性像Ⅲ、アルベルト・ジャコメッティ

スイス出身の彫刻家であるアルベルト・ジャコメッティの作品を”建築”シリーズと同様に、無限遠の2倍の焦点で撮影した作品です。
”建築”シリーズ同様に意図的に焦点をぼかすことで”Past Presence”シリーズも、作品を具現化する前の作家の頭の中の理想的なイメージを浮かび上がらせます。

「無限遠」とは?

「無限遠」はピントの調整が不要となる距離を意味します。
広角レンズほど無限遠になる距離は近く、望遠レンズほど無限遠になる距離は遠くなります。

⑮Opticks 073/⑯Opticks 080/⑰Opticks 020

白黒の写真を中心に作品を制作していた杉本博司にとってOpticksは初めてのカラー作品です。
Opticksは⑱で紹介する”プリズム”を通して分光させた色そのものをポラロイドフィルムで記録し、デジタル処理を施して大判プリントされています。

「分光」とは

「分光」の発見前は太陽光は白色だと思われていました。
アイザック・ニュートンにより太陽光は赤、橙、黄、緑、青、紫など複数の色(波長)から構成されていることが発見されました。これらをの光を波長ごとに分けることを分光と呼びます。

⑱プリズム

プリズムとはガラスや水晶などの透明な物質でできた多面体で一般的に三角柱の形をしています。

杉本博司ギャラリーのラウンジにもプリズムが設置され、季節により時間帯は異なりますが分光された太陽光を鑑賞することができます。太陽の位置によって光は長く伸びて壁に投影されることもあるそうです。

ギャラリー開館前の時間に見られる事が多いそうなので、ベネッセハウスに宿泊する&天気の悪くない日と条件が限られてしまいそうですが、特別な鑑賞体験ができるはずです。
ベネッセハウスに宿泊する方はスタッフさんに宿泊時期に応じた鑑賞できる聞いてみるのもよいかもしれません。

⑲三種の神樹 神代杉

”三種の神樹”は杉本博司と榊田倫之により設立された「新素材研究所」によって制作されました。
杉本博司ギャラリーのラウンジにある神代杉は東北の鳥海山の噴火による地震・地すべりによって約2,400年の間、地中に埋まっていたものが近年発掘されたものです。
埋没時の樹齢は約1,600年と推定され、発芽してから4,000年も経過している杉が使われています。

しまネコ

“神代杉”は”縄文杉”とも呼ばれ、樹木が半化石化したモノの事を指すよ。

⑳三種の神樹 屋久杉

屋久杉は1993年に日本初の世界自然遺産に登録され、現在では伐採は禁止されています。
この屋久杉は樹齢約1,500年にも及び、世界自然遺産登録以前に伐採されたものです。
樹齢により内部が空洞化しているのが大きな特徴です。

㉑三種の神樹 栃の樹

樹齢約600年の栃の樹が使われています。
栃の樹のテーブルの周りには五輪塔チェアと呼ばれる五輪塔の”地”や”水”を真上からみた形状の椅子が並びます。

㉒On The Beach 017/㉓007/㉔018/㉕001

※少し見にくいですが、反射での映り込みが強いので斜めから撮影しています。

On The Beachは杉本博司が”海景”シリーズの撮影でニュージーランドの砂浜を歩いていた時に見つけた物体群を撮影したものです。これらは全て自動車部品で、パーツデザインから察するに60年代の車両だと推測されています。

数十年に及び、波に洗われ続けたであろう車は錆び果て、その身を砂に溶かしつつありました。
杉本さんは「水平線にカメラを向けるのを止めて、この砂上のオブジェ群に焦点を合わせた。誰もいないこの砂浜で孤独な作業を続けるうちに、文明は終わってしまったのではないのか、という錯覚に捕われた。」
「形あるものが腐食して行く様は、凄まじいと同時に美しくもある。そして時間が腐食を促すのだ。」とも語っています。

㉖硝子の茶室「聞鳥庵」

硝子の茶室「聞鳥庵」は2014年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で発表された作品です。
その後、ヴェルサイユ宮殿と京セラ美術館を経て直島に上陸しました。
作品発表から4箇所目の展示となりますが、現在では直島での恒久展示が決定しており直島でしか観ることができない作品です。

およそ2.5mの壁で四方は覆われ、茶道口と躙口(にじりぐち)には木の扉が用いられています。
普段はガラスの橋を渡ったり、茶室に入ることは禁止されていまが、茶室に向かうには、ガラスの橋を渡る必要があります。

「聞鳥庵」は僅か2畳ながらも茶室として機能しており、茶室の下を覗くと「炉」があることがわかります。
その一方で茶室として欠けているものもあります。それが「床の間」です。
本来であれば来客をもてなすための空間として掛け軸や活けた花などを飾る場所です。
「聞鳥庵」では壁面と天井をガラスで作ることによって季節や時間、天気などにより変化する瀬戸内海や直島の景色を床飾りとしています。

一般的に茶室には空間を詩的に見立てた呼称があります。
杉本さんはこの茶室が組み上げられた時、その姿がオランダ出身の抽象画家ピエト・モンドリアンの絵画の構成と似ていると気づきモンドリアンという名前を日本後に置き換え「鳥の声を聞く小部屋」という意味を持つ「聞鳥庵」と名付けました。

㉗光学硝子五輪塔「日本海 礼文島」/㉘「相模湾 熱海」/㉙「オホーツク海、北海道」

見逃しがちですが、ベネッセハウス ショップに続く通路にも⑦で紹介した光学硝子五輪塔が3つ展示されています。
五輪塔の水を表す球体には、それぞれの別の海を撮影したフィルムが収められています
撮影時の天候により水平線がぼやけていたりなど、細かな違いを楽しむことができます。

㉚アイリッシュ海、マン島

光学硝子五輪塔(㉗㉘㉙)の並ぶ通路を抜け、振り返るとここにも”海景”が展示されています。

写真作品を屋外に展示することは日焼け等による劣化等を考慮すると、一般的に選ばれない場所です。
ベネッセハウスミュージアムでも屋外での展示が採用されており、これらは意図的に作品を劣化させることを目的としています。
しかし、作品を保護するアクリルフレームが想定していたよりも強固で作品はなかなか劣化しませんでした。
その為、直島ではベネッセハウスミュージアム、杉本博司ギャラリーの他にも、崖に2点の”海景”シリーズが展示されています。あえて過酷な環境下に展示することで作品にどのように時間経過が刻まれるかを杉本さんは試したいと考えたそうです。
”海景”はアクリルフレームに密閉されていますが時には瓦礫がぶつかりアクリルフレームは割れ、海水や雨水などが侵入します。そのような環境に置かれ劣化した作品を回収して杉本さんはコレクションされているそうです。

しまネコ

Benesseさんの記事で劣化して回収された”海景”の写真がみれるよ!

ベネッセアートサイト直島

その他、見どころ

30点の作品に含まれていませんが、ガラスの茶室「聞鳥庵」の南に位置する場所に「時の廻廊」と刻まれた石碑が水中に置設置されています。

おわり

以上、杉本博司ギャラリーの概要や作品の解説でした。
これから直島や杉本博司ギャラリーに行く方、もう一度観に行きたい!という方の参考になれば幸いです。

しまネコ

最後までみてくれありがとうございました!

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