記事更新日:2026年1月19日
大久野島について

大久野島は広島県竹原市に属する周囲約4kmの離島で「うさぎ島」や「地図から消された島」として知られています。
大久野島が「うさぎ島」と呼ばれるのは1970年代に島に連れてこられたカイウサギ(北ヨーロッパ原産)が繁殖したことで2026年現在で500羽前後またはそれ以上のうさぎが生息しているからです。
しまネコ本来”カイウサギ”は日本の野生には生息しない外来種だよ!
現在は年間で12万~13万人の観光客が国内外から訪れる大久野島ですが、一番のピーク時は2016年~2017年あたりで、「ズームイン!!朝!」など様々なテレビ番組で取り上げられた後押しもあり、この頃は年間40万人ほどの観光客で賑わっていたそうです。
また、大久野島が「地図から消された島」と呼ばれるのは、第二次世界大戦中に旧陸軍により秘密裏に毒ガスが製造されており、軍事機密保持のために大久野島は地図から消されていたからです。
国際条約でも毒ガスの開発・製造・使用等は禁止されていましたが日本は秘かに大久野島で毒ガスの製造を行いました。
大久野島でつくられた毒ガスは戦争でも使用され、多くの中国人に被害を与えてしまいました。



毒ガス製造に従事させられた日本人も、製造の過程で毒ガスの被害をうけてたくさんの方が亡くなったそうです。
アクセス






大久野島へは広島県”忠海港”からフェリーで約15分です。
忠海港から大久野島へのフェリーはこちらから時刻表をチェック。
乗船券は忠海港フェリーターミナル(赤と黒が基調の建物)で購入できます。
忠海港には無料の公共駐車場が2ヶ所(200台相当)あります。
繁忙期の1月時点では空きスペースも多く駐車には困りませんでしたが、繁忙期(特にGWなど)は満車になることが想定されるので時間に余裕を持って訪れましょう。
大久野島から忠海港へ帰る時は乗船位置(桟橋)が2ヶ所あるので要注意です。
桟橋間は徒歩5分~10分ほどの距離があるので、乗船場所を間違えてしまうと次の便まで待つしかありません。
大久野島のうさぎ






大久野島に到着して、「早速うさぎを探そう!」と意気込んでいると….
フェリーの乗船口から降りてくる人を目掛けて数匹のうさぎが駆け寄ってきました。
港だけではありません。
その後も島内を散策していると人の気配や物音を感じ取った子たちが次々と草むらから駆け寄ってくるのでうさぎを探す必要は全くありませんでした。
繁忙期・閑散期など時期により異なりますが、1月の平日(閑散期)に行った際にはほとんどの子がこちらを見つけると足元まで駆け寄ってきて餌をねだります。
餌を持っていない手でカメラを構えるだけでも興味深々で臭いを嗅ぎに来たり、座っている人間の膝上まで上がってくる子もいるほどです。



うさぎ好きには天国のような島だね!
大久野島の抱える問題
今回の観光で大久野島で20年程働かれている方から大久野島のうさぎについてお話を聞かせて頂くことができました。
「大久野島にはたくさんのうさぎが生息している」ということは非常に多くの方が発信されており、大久野島に興味を持っている方なら既に知っている情報だと思いますので
当ブログでは大久野島で働く方から聞いた”大久野島の抱える問題”についてご紹介させていただきます。
①食べ残した餌によるイノシシやネズミの増加
・うさぎの食べ残した餌をイノシシやネズミが食べることにより繁殖して数が増えている。
・ペレット(粒状の餌)など栄養価の高い餌が持ち込まれて食べこ残されているのも要因。
・大久野島の猪はうさぎを襲って食べることもある。
・猪の数はここ1~2年で倍ほどに増加。2026年1月時点で15頭以上はいるそうです。
・しまネコ(筆者)もイノシシに遭遇しました。
※小さなお子さんを連れての観光の方は気を付けてください。


②過剰な餌やりによる悪影響
・お腹がいっぱいでも餌を与えられると反射的に食べることも多い。
・食べ過ぎにより胃腸への負担、死亡してしまう子もいる。(特に幼いうさぎ)
・特に観光客の多い季節、ゴールデンウィークなどの連休明け等に見受けられる
③無断で設置されているうさぎの水桶
・大久野島には約170ヶ所に水桶が設置されているが、これらは無断で設置されたもの。
・ペレット(粒状の餌)が持ち込まれることによりうさぎの喉が渇く→水桶が必要。
・大久野島はほぼ全域が環境省の所有地であり国立公園に指定されています。
・本来であれば撤去されますが、現状はうさぎにとっても必要なもので、有志により毎日水交換がされているので許可はされていないものの、黙認されているという状況。


④負傷個体の増加
・うさぎが人に慣れすぎることで接触による負傷が増えている。
・実際に島内を歩いているだけでうさぎが自分の足元に駆け寄って来て立ち止まることが多々ありました。
・足元の確認を疎かにすると意図せず蹴る、踏んでしまうなどの接触が起こりかねません。
・景観を眺めたり、スマートフォンを確認したり、少し足元から目を離した後は歩き出す際に足元の確認をすることが大切だと感じました。
・2025年には大久野島のうさぎへの虐待事件もありました。


⑤島内の自転車利用のマナー
・大久野島のうさぎは人を見つけては急に草むらから飛び出してくることがあります。
・「ながらスマホ」などを控えて、「いつでも停まれる速度」で安全走行しましょう。
大久野島観光のルール
上記の問題をふまえて大久野島ではいくつか観光のルールが設けられています。
①うさぎにさわらない。手から直接エサをあげない。
・うさぎに怪我をさせない、ストレスを与えないため
・手から餌をあげる際に噛まれてしまうことがある
・人に感染する病気やノミ、ダニを持っている可能性がある
※しまネコ(筆者)が大久野島に行った時には、餌を取り出す段階で手元に集まってきたり、地面に置くまでに直接手からもらおうとする子が多かったり、餌を人の手からもうらことに慣れてしまっている子がすごく多いように感じました。
大久野島に観光に来る方もルールの認識不足やうさぎの可愛さから、悪意なく手から餌をあげてしまってる事が多いようです。
②道路上で餌をあげない。足元のうさぎに注意する。
・草むらから自分の足元に駆け寄ってくるうさぎをみると、例え道路上でもその場でついつい餌をあげたくなりますが絶対にNGです。
・自動車や自転車が走行するのでうさぎが轢かれてしまう恐れがあります。
・足元のうさぎに気づかず怪我をさせてしまう恐れがあるので動く時は足元をしっかり確認しましょう。
③餌をあげたら食べ終わるまで見守る。食べ残しは持ち帰る。
・「どうせ食べきるだろう」「勿体ない」という気持ちからの餌の置き去りは絶対にダメです!
・過剰な餌が腐敗したり、食べ残しの餌がイノシシやネズミの餌となってしまいます。
④ペット(生き物)を連れてこない。うさぎを持ち出さない。
・動物間で病気がうつる可能性があります。
・島の生態系を乱すおそれがあります。
うさぎへの餌やりについて
しまネコ(筆者)も意気揚々と忠海港付近のコンビニでキャベツを購入して大久野島に訪れたのですが、大久野島の抱える問題を知って「そもそも野生生物に餌をあげるのは良いのか?」という疑問にぶつかりました。
「島内のうさぎに餌をあげて良いです」と直接的な公表は流石に無さそうです(というか、できないのでしょう)が環境経済情報ポータルサイトにて展開されている大久野島のリーフレットには上記の餌をあげる際の注意事項が記載されています。
餌をあげる際の注意事項ということは、現状は餌をあげること自体は禁止となっていないようです。
また、長期間に渡り人間の手によって食料が供給されて繁殖してきた今、食料の供給を絶つと当然亡くなってしまう子が多くあらわれたり、繁殖数も減って島内のうさぎも減少するという問題もあるそうです。
これらの事から餌やりについては現状”個人の判断に任せる”というとこみたいです。



過剰な餌やり、食べ残しの放置は絶対にやめてね!
観光客の多い時期は自分以外の人から既に餌をたくさんもらっていて餌の過剰摂取になってしまう事があるそうなので、閑散期(冬)に行くほうが過剰摂取の心配は減ると思います。
また、今回1月に大久野島に行ってみて、与えた餌も最後まで見守りましたが食べ残しが発生することはありませんでした。
人の手元に注視していて地面に落ちている餌に気づかない…という場面は何度かありましたが、一度拾ってから置きなおすことで与えた餌を先に食べてくれました。
うさぎの餌




うさぎの餌は忠海港フェリーターミナルや忠海港の待合所で購入することができます。
昔は休暇村(大久野島唯一のホテル)でも販売されていたそうですが、上記であげたような問題から島内での餌の販売は行われないようになったそうです。
大久野島の観光場所
毒ガス資料館


大久野島でつくられた毒ガスにより多くの犠牲者がでました。
大久野島毒ガス資料館では毒ガスによる被害を忘れず、二度と繰り返さない為に当時の資料が展示されています。
開館時間:9:00~16:00(最終入館15:40)
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
※その他臨時休館の可能性あり
入館料:150円(19歳以上)※団体割引あり
※館内撮影不可
大久野島ビジターセンター






大久野島を中心とする瀬戸内海国立公園の自然環境や島の歴史について知ることができる施設です。
うさぎは勿論、スナメリなどの生物についての資料も展示されていました。
開館時間:9:00~16:00
休館日:水曜日(1-2月は木曜日も休館)、年末年始
入館料:無料
館内写真撮影可/カメラマンの方から提供された写真などは一部撮影不可
休暇村






休暇村は大久野島唯一のホテルです。
1階にはうさぎ島ならではのうさぎまみれの可愛いお土産屋さんや、ドリンク、軽食、スイーツを提供するUSANCHUカフェがあります。(宿泊者以外でも利用可能)
ホテル前の広場は大久野島で一番と言ってよいほどたくさんのうさぎがいます。



USANCHUカフェの窓際の席から、ホテル前のうさぎを眺める事ができるよ!
海水浴場






大久野島ビジターセンターのすぐ近くにある海水浴場は小さなビーチですが海水は透き通っていてとても綺麗です。
海水浴場の近くには「慰霊碑」や「大久野島神社」もあります。



大久野島神社や海水浴場辺りにもたくさんのうさぎがいたよ♪
うさぎの耳の集音器


うさぎの耳を象ってつくられた集音器。
写真映えは勿論、うさぎになりきって雨や風の音、船の汽笛などを聞くことができます。
大人から子供まで様々な高さの集音器があるので家族で楽しむこともできますね。
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うさぎ耳の集音器は向きを変える事もできるよ♪
日本一高い鉄塔


大久野島の鉄塔は日本一高い送電鉄塔で、その高さは226mもあります。
発電場(所)跡


大久野島で毒ガスをつくる際に電力を供給していた発電場跡。
毒ガス貯蔵庫跡、砲台跡




大久野島では「イペリット」や「ルイサイト」という猛毒が製造・貯蔵されていました。
大久野島には3か所の毒ガス貯蔵庫跡があり、ここに保管されていた毒ガス後は敗戦後に処理されました。
また、大久野島には北部、中部、南部の3か所に砲台が設置され、合計22問の大砲が置かれていたそうです。
おわりに


「うさぎ島」や「地図から消された島」と呼ばれる大久野島。
事前調べては島内を一周するのに1時間30分ほどと書かれていたので半日の予定で観光に行きましたが、結果的には時間が全然足らず、後日改めて遊びにきたほど見どころの多い島でした。
島を一周するだけなら確かに1時間30分程で周りきれると思いますが、草むらから次々と駆け寄ってくるうさぎをスルーし続ける覚悟は必須になりそうです…(笑)
うさぎ以外にも「毒ガス資料館」「毒ガス貯蔵庫跡」「砲台跡」など戦争の歴史を知る事ができたり、「ビジターセンター」では土地の動植物や島の歴史を知る事ができます。
更にカフェの利用、お土産を見たり…など大久野島を堪能したい方は断然1日のつもりで時間をとって遊びにくる事をおススメします。



休暇村で宿泊するのも良さそうだね♪
観光スポットとは異なりますが、島内には見晴らしの良いスポットもたくさんありました。
島内を散策するだけでも瀬戸内海と大久野島の絶景を楽しむ事ができます。
暖かくなってくると観光客も増えてくるので、閑散期の今のうちに遊びに行ってみてはいかがでしょうか。


